スマホが子どもに及ぼす影響
- 2025年12月11日
- 読了時間: 7分

お子さんたちがスマホを持つ年齢もどんどん早くなっている印象を受けます。
スマホは大人の持ち物から、若者、そしてこどもへまでと広がっています。
実は、カウンセリング現場でもスマホやゲームに関する相談は多くなってきています。
この問題は、日本だけではなりません。アメリカでは昨年からスマホの学校への持ち込み禁止が広がりました。今回は、スマホに関して最近発表されたアメリカの論文をもとに、お話をしていきたいと思います。多岐な用途を持つスマホは、友達とのつながりのために必要になることが多く、一度持ったら手放せないアイテムになっています。
何歳からスマホを持っている?
1人1台スマホあたり前の時代になりました。NTTドコモのモバイル社会研究所では、2018年から小中学生の自分用スマホ所有率の調査を継続して行い、発表しています。
2025年1月に発表された調査結果が下記です。2025年にはじめて、小学校高学年の所有率が上がり、6年生は半数以上になりました。また、中学生の所有率は87%になりました。

スマホを持つ年齢が健康と関連?!アメリカの研究から
さて、12月1日にAmerican Academy of Pediatrics で発表された研究論文「スマホの所有状況、持ち始める年齢と、思春期初期の健康状態」Barzilay et al., (2025) "Smartphone Ownership, Age of Smartphone Acquisition, and Health Outcomes in Early Adolescence" がアメリカでは話題となっているようですのでご紹介します。
9歳から16歳の約1万人の子を対象に、保護者にスマホを与えた年齢とその後の健康状態等を調査。12歳時点でスマホを所有していたのは60%以上でした。
調査結果では、12歳までにスマホを所有している子の方が、13歳以降に所有した子に比べ、うつ、肥満、そして睡眠不足の傾向が強くなるということがわかりました。また、スマホを持ち始めた年齢が低ければ低いほど、特に肥満と睡眠不足の傾向が高くなるということもわかりました。なお、12歳にはスマホを持っていなかったが13歳時点の調査までの1年間で持ち始めた子達も、まだ持っていない子達に比べると精神面での疾患や睡眠不足の率が高くなっていました。
スマホは情報収集や子供達のネットワークつながり構築のためにも必要な時代です。しかし、スマホをちゃんとツールとして使うためには、子どもの発達段階を見極め、ルールをしっかり決めて渡すことが大切だと、調査した教授は述べています。

上記の調査はあくまで結果分析なので因果関係までは見出せていないのですが、スマホを持つ→楽しくなる→やめられない→睡眠不足 は実際によくあることだと思います。また、スマホに費やす時間が増えれば、自然と外出する時間、外で遊ぶ時間は減っていくと思うので、体重増加にも影響があるのでしょう。うつ、精神疾患は、この調査に加わっていた教授が語っていたのですが、SNSでのつながりや友達のネット上でのやりとりで傷ついたり自己肯定感が下がることからうつ傾向になってしまうことがあるとのこと。このような傾向は特に女子に多いということは、この研究以前から、さまざまな研究で指摘されています。
メディアを使う際のポイント「5C」:アメリカ小児科医が推奨する方法
アメリカの小児科医が推奨しているメディアを使う際の方法の紹介です。スマホに限らずゲームも含む電子機器という括りだと思いますが、参考になると思うのでご紹介したいと思います。
冒頭でも書きましたが、アメリカは今スマホやSNSなどの低年齢化の影響が問題視されており、昨年から学校へのスマホ持ち込み禁止(それまでOKだったのですね)とする州が増えてきています。小児科医もこれに付随した診察をすることが増えているのではないかと推察されます。
さて、推奨されている5Cですが、それは、下記です。
Child(こども)
Contents(コンテンツ)
Calm(こころを静める)
Crowding out(コントロール)
Communication(コミュニケーション)
日本語では、5Cの代わりに
5つの「こ」
にしてみました。
一つ一つを詳しくみていきます。
下記は5Cの年齢別の説明をまとめて、要約したものになります。
Child(子ども):
お子さんのことを「見て」「聞いて」よく知りましょう。小さなお子さんの場合にはよく観察しながら、お子さんの興味関心が何か、どんなことが好きか、得意かを見ていきましょう。スマホを使うようになったら、本人の話をよく聞きましょう。大人もスマホで子どももスマホではなく、顔をむき合わせてお話をする、大人が聞く時間を意識して設けましょう。年齢が大きくなると保護者との時間や話す機会も減ると思いますが、保護者としてお子さんのことを理解したいと思っているということを伝え、困った時には相談できる関係性でいましょう。

Contents(コンテンツ):
小さなお子さんの場合には、お子さんがみているコンテンツを大人がフィルターやペアレントコントロールの仕組みをつかって年齢に相応しいものになるようにしましょう。徐々に年齢があがったら、デジタルリテラシーについて話し合ったり、動画等をみて怖い思いや変なものをみてしまったという気持ちになっていないかを確認します。また、自分でコンテンツとコントロールできるようにアルゴリズムの仕組みを伝えたり、通知やコンテンツのセンサーなどの設定について教えていくことも大切です
Calm(こころを静める):
学校で頑張ったご褒美や、楽しみ、ちょっとした休憩としてゲームやスマホを使う子が多いようです。その時間が、食事や睡眠、家族との団欒の時間の邪魔にならないよう、小さな子どもの場合には保護者がモニターする必要があります。家庭でのルール決めは、子どもが電子機器を使い始めるタイミングで始めると良いでしょう。小学校高学年くらいから、子どもは嫌な気持ちを紛らわせるためにゲームやスマホの時間をとるようになります。電子機器類以外にも、友達と話す、スポーツする、家族と出かけるなど、嫌な気持ちから気分転換する方法をいくつも持っていられるよう、サポートしましょう。最後に、大きなお子さんの場合、寝る時にスマホを寝室に持ち込まないようにすることが睡眠時間と良質の睡眠を確保するためには大切です。

Crowding out(コントロール):
ゲームやSNSなどデバイスの中にはやめられなくする仕組みが組み込まれいています。やらなくてはいけないことや、他の楽しみの時間もしっかり確保するようにお子さんと話し合いましょう。小さなお子さんの時には、つまらない時、怒った時に画面を見て落ち着く習慣をつけないようにしましょう。お子さんが大きくなってきたら、通知を一定時間届かないようにする設定方法を伝え、うまく使えているか確認しながらサポートしましょう。特に思春期からは睡眠不足にスマホや電子機器が関連していることが多いので、睡眠時間の確保が必要です。また、大人が模範となるように行動することも大切です。
Communication(コミュニケーション):
小さなお子さんと、デジタルメディアの利点と危険性について話しはじめましょう。お子さんがすでに知っていることを聞いて、保護者の意見も伝え、オープンに話し合える関係でいましょう。お子さんは成長すると、保護者に携帯を取り上げられてしまうという恐れからあまり話さなくなってしまう可能性があります。取り上げるのではなく、どうしたらいいかを一緒に考える、まずはお子さんの話を聞くという姿勢で接していくことが大切です。お子さんが大きくなったら、映画やテレビをみながらそこで扱われているトピックについて話し合うなど、「話す」「意見を交わす」という時間を大切にしましょう。電子機器についての家族のルールにはお子さんの意見も取り入れ、保護者もそのルールに従うようにしましょう。

今回はお子さんとスマホについて、アメリカの情報をお伝えしました。
スマホデビューの年齢を決めるのはご家庭それぞれですが、悩むところですよね。
保護者がまだ渡すのは早いかなと思っても、「スマホ持っていないのうちだけだよ」とお子さんが言ってくることもあると思います。我が家も何度聞いたことか・・・。
スマホの影響、扱い方、保護者としてサポートできることを整理して、お子さんと共有しながら、生活を便利にするひとつのツールとして取り入れるように一緒にがんばりましょう。




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