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自己制御と共同調整 Self regulation/co-regulation

たとえば・・・

今日は締切が二つ、午前に一つ、午後に一つ仕上げて頑張って定時で帰るぞ!

と気合を入れた日に限って

「悪い。これ、明日までに目を通して赤をいれておいて」と頼まれたり

「今すぐ打ち合わせいいですか?ちょっと急ぎでお願いしたくて」とお客様から呼び出し。


「うぉー!!」と叫びたくなる気持ちを抑えて

頭で自分のTODOを再確認して、できそうかどうか、どうやって今日を過ごすか予定を組み立て直す。


たとえば・・・

今日は子供達を送ったらその足で学生時代の友達とランチ!

会うの久しぶりで楽しみだな〜

とウキウキと久々オシャレして電車に揺られていたら

突然鳴る電話。見ると、保育園から。

「もしもし。○○ちゃんがお腹が痛いというので熱を測ったら、38度出ています。お迎えに来ていただけますか?」


「えぇー!」とやるせない気持ちを吐き出したいところを抑えて、

「はいわかりました。お電話ありがとうございました」

冷静に応答して、すぐ友達にキャンセルとお詫びの連絡。そして保育園に向かう。


似たような経験、ありませんか?!


さて、ここで大人は自分の感情を抑制して、現状を認識、分析して、新たなゴールを立ててそれに向けてどうしたら良いか、計画を立て直しています。


こんなふうに、自分の感情や考えを管理して、目標を達成するために柔軟に調整していく力は、自己制御(self regulation)と呼ばれています。学校、職場、さまざまな場面での人間関係にも大切なスキルで、ウェルビーイングに関わるとして多くの研究が進んでいます。


さて、この自制御。いったい何歳からそだって、いつ身に付くのでしょうか?

アメリカのデューク大の研究結果を見てみましょう。


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曲線が、自己制御の発達だそうです。

学童期のはじめと、思春期の始めに、脳の発達に伴いこの自己制御の力もつくようです。

そして、この自己制御がしっかり育つのは、研究によって若干の差があるのですが、一説では27歳と言われています。もっと遅いという研究結果もあります!


子どもが幼児期にはいって普通に話し始めたり、小学生になってなんにでも理由を求め、中学校に入って大人にも論理的に挑んできたりすると、それくらいわかるでしょ!我慢できるでしょ!と思ってしまいがちです。


しかし、このグラフが示しているのは、「共同調節・制御(Co-regulation)」の大切さです。子どもと信頼関係のある大人が、子どもが自己制御できるようにサポートしてあげることが大切なのです。


遊びたいけれど、宿題をまずする。

ゲームの続きが気になるけれど、もう約束の時間だからやめる。

好きな動画をずっと見ていたいけれど、そろそろ寝る時間だからベッドに行く。

校庭で虫を捕まえたいけれど、授業がはじまるから着席する。

作文が苦手でやりたくないけれど、どうしたらいいか先生に相談してみる。


子どもの生活も、この自己制御がたくさんの場面で求められています。


子どもは経験から多くを学びます。

失敗もたくさんしますが、そこから学びを深めていきます。

子どもはまだ自己制御の力をつけている途中。だから大人が一緒にその作業を手伝って、経験を通して教えてあげる必要があるということを、忘れずにいたいですね。


大人にできることは、いつでも話を聞いてサポートするという「温かい信頼関係」。そして本人が目標に向かって進めるように「環境を整えること」。子どもが自己制御の力をつけられるよう、一緒に取り組みサポートする「共同調整」。

この3つが、欠かせない要素とされています。


私はもうすっかり大人ですが、まだまだ自己制御力を高め、ブログをもっと頻繁に更新したいと思います!


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