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宝くじ

若い頃PTAの飲み会で、「もし宝くじが当たったら」というお題で盛り上がったことがありました。順番にその使い道を話します。家を建てるとか、車を買い換えるとか、貯金するとか楽しそうに話をしています。


私は学生時代に宝くじを買ったことがあり、もし当たったらどうするかと真剣に考えました。

親に渡すか、自分で管理するか。

友達にどんな風におごるか、近くの友達だけか故郷の友達も含めるか。

誰かに言うか、それとも秘密にするかなど迷いました。

銀行に預けると世間にバレてしまう気がして、隠し場所にも悩みました。

当たるものと思っていたので、発表まで気が気じゃありません。

それなのに、当たりませんでした。愕然、宝くじって当たらないの! そうか…良かった、助かった。憑き物が落ちました。


医者になった後、宝くじに当たった女性がノイローゼになって私の患者になりました。彼女は当選後、ビル清掃の仕事仲間から妬まれ、嫌みを言われて、仕事に行きづらく眠れなくなりました。さらに、息子が夫と結託して、アパートを建てる話を決め、借金して土地も買うという話に激怒して、家庭内が滅茶苦茶になっていました。それを見ていたので、大金が入ると人生狂ってしまうと思うようになっていました。


さて、私の番になりました。

「宝くじは1億円はいらない、20万円当たればいい。新しいノートパソコンを買うのが夢です」と小さな希望を話して胸がホッコリしました。

その後です。そばにいた妻が涙声で言いました。

「こんな自己中心的な人だとは思わなかった。子どもの教育費は、家のローンはどうするの、私のことはちっとも考えないの…」と。

おいおい、待てよ。これは空想の話で、別に当たったわけじゃないから、本気で怒るなよと呆れました。でも妻は納得しません。このとき感じたのは、ちょっとした遊びにも、男性は楽しみを求めるロマンチストで、女性は生活を優先的に考える現実主義者だと。


今振り返ると、女性は家庭優先で、家族を守り育てていく責任感が強いのだと思います。当時、男性は外で仕事をして、家事育児は女性に丸投げが普通でした。女性の特質に甘えて、苦手な分野を押しつけていたのだなと反省します。

孫の話から、子ども達の子育ての話に及ぶと、妻はしみじみ言います。「本当にあなたは何もしなかったわね。そもそも家にいなかったわよね」

一瞬身がすくみます。チラッと顔を覗き込むと笑顔です。

あー助かった。許してくれている。感謝です。こんな私でもチームの一員。




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