春に運動会がある学校では、運動会後の5月下旬ー6月にかけて、子どもたちに少し変化が見られることがあります。疲れが溜まって体調を崩す、やる気が少なくなってしまう、登校を渋る、など、4月から張り切って頑張っていた緊張の糸が切れてしまう、そんな様子が見られるお子さんがいます。
人によって適度なストレスには差があります。また、同じ状況で感じることも様々です。子どもが「疲れた」と言ったり「学校に行きたくない」「学校がつまらない」と言った時、保護者は困ってしまうと思います。思わず「自分が子どものときはもっと忙しかった」「それくらい大丈夫だよ、頑張りなさい」と言いたくなることもあるかと思います。この言葉、言ってしまってはダメなわけではありません。しかし、それを伝える前に大切なことがあります。それは、子どもの気持ちを受け止め、吐き出させてあげるというステップです。
みなさん、仕事で疲れてしまうこと、家事や育児で疲れてしまうことありませんか?そんなとき、どうしていますか?誰かに弱音を吐くことがありますか?「疲れたなー」「大変なんだよ」と言ったとき「それくらい大丈夫」「がんばりなさい」「今が堪えどき」と言われたら、どうでしょうか?どんな言葉をかけて欲しいですか?どんな風に接して欲しいですか?
遊びが子どもの仕事 と言われます。けれど、小学校に入ってからは勉強がそこに大きな比重を占めて来ます。また、行事や部活動など、それ以外にもたくさんの役割をこなして毎日懸命に生きています。そんな子供が「疲れたー」「学校いやなだー」と言ったら、そのときしていることの手を止めて、お子さんと目を合わせてお話を聞いてあげてください。
カウンセリングをしていて時々子供達がいいます。「今日こそママに(パパに)このこと話そうって頑張ってタイミングみて、話したのに、ママは料理しながら聞くんだよ。パパはテレビ見ながら聞くんだよ」それを聞いて私自身ハッとします。忙しい毎日です。仕事して、子供達の宿題をみて、料理して、家事と育児に追われていて「ながら」聞き、してしまいます。でも、子供たちはそれを見て「自分とちゃんと向き合ってくれていない」と思うのです。
お子さんのネガティブな発言にこちらまでいやーな気持ちになってしまうこともあると思います。でも、話して気が済む子もいます。お子さんの気持ちを聞いてあげてください。そして「同意(私もそう思う)」はしなくて良いですが「あなたはそのとき悲しかったね」と「共感」をしてあげてください。
そして、ネガティブな思考にハマってしまっているお子さんには、同じ状況でも別の角度から見たらポジティブにも捉えられるということを、伝えてあげると良いと思います。「それは辛かったね。でもお母さんね、今の話を聞いていて、辛いのに相手の気持ちを思ってそのときはグッと堪えたあなたの力にびっくりしたよ。よくそんなことできたね」
最後に、ポジティブな側面は、お子さん自身の努力や力が働いているということに気づかせることができれば、良いと思います。「どうやってできたの?」「どうやって頑張れたの?」たいていの子は「わからない」「知らない」と答えると思います。小さな子は作り話で答えてくるかもしれません。それでも構わないので、うまくいったときに、どうやってできたかを振り返る思考の癖を作っていってあげてください。
「反省会」と言う言葉があります。人はうまくいかなかったときに振り返り、改善するということは、習慣づいているように思います。でも、うまくいった時にこそ、振り返り、自分がどんなことをしたのかを思い出しておけば、同じような状況に対応できる自信に繋がります。
手を止めて話を聞く
気持ちを受け止める
別の側面を見せる(いやだと思ったことにもポジティブな側面がある)
うまくいっている時の自分の努力を振り返る
全部いきなりできるものでは無いと思います。
これを知っている私でも、忙しさ、自分の心の余裕の度合いでできたりできなかったり。
でも、頭に入れておいて、思い出したら使っていただけたら幸いです。
子育ては毎日毎日、予想外のことが起きて先が読めません。
でも、何があっても明日は来て、子供はどんどん成長します。
子供の未来のために、今できることを、無理ない範囲で、やっていきたいですね。
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