保護者のストレスマネジメント
- Yukako Bareil
- 6月11日
- 読了時間: 4分

子育ては、一筋縄ではいきません。
保護者としての経験には喜びもたくさんありますが、一人の人を育てるという大きな仕事を、社会的な仕事や家事等をこなしながら行う育児にはストレスもつきものです。
文科省が令和2年に行った調査では、子育てをしていて良かったと感じるときとして
「子供が喜んだ顔を見るとき」が 74.3%
「子供の成長を感じるとき」が 67.5%
「子供と話したり、遊ぶとき」が 25.6%
となっています。
一方、
子育てについての悩みや不安の程度に関しては、
「感じる(「いつも感じる」と「たまに感じる」の合計)」 が 69.8%。
7割の保護者が何らかの悩みや不安を抱えながら日々過ごしていらっしゃいます。
その内容について見てみると、
「子供の生活習慣の乱れについて悩みや不安がある」が 42.9%と最も高く、
次いで「しつけの仕方が分からない」が 40.6%、
「子供の健康や発達について悩 みや不安がある」が 38.4%。
性別でみると、男性で「子育てに十分な時間がとれない」の割合が女性と比べて特に高くなっていました。
(令和2年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究 ~家庭教育支援の充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査~」)https://www.mext.go.jp/content/20210301-mex_chisui02-000098302_1.pdf
日本では子育てに関する「不安や悩み」調査でしたが、
アメリカの子育て中の保護者の「ストレス」調査を見てみましょう。
アメリカ心理学会(APA:American Psychological Association)が2023年に行った調査では、3人に1人(33%)の保護者が高いストレス下にあり、このストレスと同等レベルのストレスを感じている人は、一般的な調査では20%しかいないということでした。また、こちらの調査では、41%の保護者がストレスがありすぎて日常生活に支障をきたしていると回答。48%の保護者が日々のストレスで苦しい状況と答えています。
では、改善のためにできることを、いくつかご紹介します。
みなさんすでにご存知のことも多いかもしれません。
でも出来ているかどうか、もう一度立ち止まって考えてみてくださいね。
1.周りに頼りましょう
子育てを一人で抱えてしまうと、辛くなってしまいます。パートナーや家族、仕事仲間、友達や知人、地域のサービスなど、悩んでいることを話してみてください。人に話すのは勇気がいるかもしれませんが、言語化することで考えや気持ちが整理されたり、気持ちがすっきりすることがあります。
2.セルフケアを意識して行いましょう
みなさん、息抜きのためにやっていることはありますか?音楽を聴く、趣味の時間、散歩、友達と会う、ジョギングなど。ストレスが溜まってきたら、意識して「自分のための時間」をとりましょう。ストレスは心、考え、体、行動に反応として出ますが、逆に行動、体をメンテナンスすることで心、考えまでリフレッシュしてストレス軽減することができます。
保護者のストレス、特に母親のストレスは、お子さんにも伝わることが研究でわかっています。保護者自身が元気でいられるように、自分時間を大切にしましょう。
3.専門家に話をしてみましょう
誰に話していいかわからない、自分なりにリフレッシュしたつもりでもモヤモヤやイライラがとれないときには、専門家と話してみましょう。お子様が通っていらっしゃる園、学校には心理士、スクールカウンセラーがいるのではないでしょうか。保護者であれば無料で予約相談を受け付けているはずです。些細なことでも、気になることやモヤモヤは早めに相談してみてください。
子育てに正解はありません。ご家庭ごとに方針やお考え、価値観も違います。しかし、子どもの発達段階や成長を支える要素など、心理学では研究で明らかになっていることも多く存在します。専門家に質問してみる、講座等に出てみることも役立つと思います。
4. 自分がどんな保護者になりたいか想像してみましょう
最後は、解決志向の考え方を紹介します。イライラやモヤモヤは、理想と何か違うぞと心が出してくれているサインです。
目を瞑り、深呼吸を3回してみましょう。そして、本当はどんな自分でいたいかを想像してみましょう。理想の自分は、この状況でどのように対応していますか。何をして、誰と何を話しているでしょうか。細かく描いてみてください。その理想像の中の一部でも、始められそうなことはありますか?もし見つかったらまずはその一歩からはじめましょう。
Comments